皮膚のたるみが主体の眼瞼下垂の治療

年齢とともに生じる老人性眼瞼下垂には、眼瞼挙筋というまぶたを持ち上げる筋肉の付着部(腱膜)の緩みによる「腱膜性下垂」と、皮膚のたるみが覆いかぶさることによる「皮膚性下垂」の2種の要因があります。多くの方は両方の要素が重なり眼瞼下垂の症状を自覚されますが、中には腱膜性優位な方や、皮膚性が優位な方もおられます。

2種の混合タイプや腱膜性優位の方は、眼瞼挙筋の操作が必須になりますので従来の「挙筋前転術」を行います。皮膚性がほとんどで、挙筋自体の緩みはほとんどない方は「皮膚眼輪筋切除術」や「眉下皮膚切除術」で対応します。

眉下皮膚切除術で皮膚のたるみを除去

眉下皮膚切除術は眉下のラインに合わせるように紡錘型に皮膚切除デザインします。そのため術後の傷は眉に沿ったものとなり、あまり目立ちません。腫脹も直接二重のラインを切開する挙筋前転術に比べると非常に軽度で済みます。

あまり切除しすぎると目の内側に縦ジワが生じるので、切除する幅と縫い合わせる方向を細かく検討して、適度に皮膚のたるみを解消します。

術後に二重にならない

眉下皮膚切除術のメリットの一つは「術後二重にならない」ということです。眼瞼下垂症の一般的な挙筋前転術の切開線は二重のラインを切ります。そのため術後の傷は二重の折り返しの奥になるため、くっきり二重の印象になります。

もともと二重瞼だった患者さんは、若い頃の印象に戻るような感じですので、あまり抵抗なく受け入れてもらえます。ただしもともと一重瞼の方は、術後強制的に二重になることを良く思わない方もおられます。そういう方は眉下皮膚切除術のほうが適している場合があります。二重瞼になることなく目元のたるみ・重さなど眼瞼下垂の嫌な症状を改善することが可能です。

代わりに眉下に傷ができますが、最初の1ヶ月程度は赤みがでますが、3ヶ月〜半年ほどで大体はおさまり、柔らかく馴染んでくるので、それほど目立ちません。

腫れないし見た目の印象もあまり変わらないメリット

挙筋前転術は術後の印象が術前と大きく変わります。腱膜性下垂が改善するからです。瞼自体が下がると眠そうな目つきの悪い印象になり、それがしっかり開くことで印象がよくなる場合が多いです。

皮膚性下垂は腱膜性下垂の顔貌変化よりも印象に影響が少ないですが、「目元が重い」「開けにくい」などの訴えは見た目の印象よりも出ている場合がよく見られます。まつ毛(睫毛)にたるんだ皮膚が乗っかると、皮膚がまつ毛にあたることで重さや違和感を感じ、鬱陶しい症状につながります。眉下皮膚切除術はこれを修正することができるため、術後の症状改善は十分得られます。

目元のたるみは改善されるのですが、たるんだ皮膚を上に引き上げるような解消なので、目元周辺は腫れず、印象もあまり大きくは変化せずに、症状の改善が得られるため、一重瞼の方で手術適応がある方には喜んでいただけます。

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