形成外科の受診相談内容TOP5(第2位、第1位)

形成外科の受診相談内容TOP5(第2位、第1位)

形成外科はそもそも「どういうときに受診するのかよくわからない」と言われます。皮膚トラブルなら「皮膚科」だし、骨折なら「整形外科」だし。

「形成外科といえば美容でしょ?」という声もよく聞きます。間違ってはないですが、一般総合病院では美容をやっていない形成外科も多くあります。

当院形成外科は、毎日60名近くの患者さんが受診されます。内科や皮膚科、整形外科に比べれば少ないのですが、形成外科としては患者さんは多い方です。

実際どういう内容の相談が多いのか、今週3回に渡って記載してきましたが、いよいよ第2位、第1位を発表します。もったいぶりましたが、上位は「形成外科にもっともよく来院される受診理由」です。あたりまえの結果かもしれませんが、見てやってください。

第2位:フットケア関連のトラブル(巻き爪・胼胝・外反母趾)

とにかく爪のトラブルの方は多い印象です。また皮膚科で熱心に対応されている場合もありますが、外科的治療がどうしても必要になるフットケア関連疾患は、形成外科に受診されたほうがよいと思います。

幸い近隣の皮膚科の先生方から当院は「フットケアに力を入れている病院」という認識のようで、日々たくさんの患者様をご紹介いただいております。

フットケア外来は当院では月曜・水曜・木曜の午前・午後とも治療対応しています。主に看護師が医師の指示・管轄のもとでフットケア治療に当たります。

たとえば爪白癬、そのまま薬塗るだけではまずもって治りませんフットケア的に爪削除してから外用治療を行うのが正しい方法です。

爪白癬の外用薬は非常に効果な薬剤です。爪甲除去せずに分厚いまま薬を塗り続けて1年以上という方も多くおられます。このあたりはメーカーの指導不足、説明不足、効能検証の不足を感じます。効果な薬品を無駄に使用させないためにも、もっと使い方や効能の検証を行うべきだと思います。

爪のトラブルでどこにも見てもらえず、放置している高齢者の方も多くおられます。長い年月をかけて、爪から足のトラブルを生じ、歩けなくなる形もなかにはいますので、「たかが爪」と侮ってはいけません。

ほかにもフットケアで対応できるのは、「たこ・うおのめ」のトラブルです。

足の底に痛みを伴うタコが出来ると、生活の質がぐんと下がります。

はやめに治療して、快適な生活を取り戻しましょう。

フットケア関連の過去の記事をリンクしておきますので、ご興味ある方はごらんください。

第1位:できもの(皮膚・皮下腫瘍)を取りたい。

形成外科に来院される患者さんの「もっとも多い相談理由」は「できもの(皮ふ・皮下腫瘍)を取りたい」という相談内容です。

形成外科に行けば、できものを「きれいに」取ってもらえる。そういう認識があるようです。

患者さんたちに聞いてみると、紹介元の皮膚科の先生から「あそこの形成外科にいってきれいにしてもらってきなさいと言われました」とよく話されます。

形成外科=きれいに「皮膚腫瘍」を処理できる診療科

現状はこれが一般総合病院形成外科の「もっとも多い業務」になるでしょう。

重度な外傷の再建や、悪性腫瘍の切除後再建、先天異常の形成など、教科書や学会誌に掲載される「大きな規模の手術治療」の影で、形成外科医は粉瘤や脂肪腫、母斑、線維腫など、皮ふの良性腫瘍を「小さくきれいに仕上げる」仕事を日々何例も何例もこなしています。

当院では年間400件以上の皮膚・皮下良性腫瘍の切除術を行います。

粉瘤の外科的手術がとての多い印象です。粉瘤には「形成外科の手術手技の基本」が詰まっています。もう16年も形成外科をやっていますが、未だに粉瘤の摘出術は奥が深いと感じることがあります。

個人的に皮膚・皮下腫瘍の手術をたくさんやっている形成外科は信頼できると思っています。それだけ世間の皮膚科の先生から紹介を頂いている証であり、患者さんや近隣の先生からの評価が高いということに繋がるからです。

当院も皮膚・皮下腫瘍の手術以外の治療も数多くこなしていますが、皮膚・皮下腫瘍の手術件数が増えれば増えるほど、大きな規模の手術も増えていった印象があります。

近隣で良い形成外科を探すのであれば、「皮膚・皮下腫瘍の手術件数」を見てみるのがおすすめです。年間300件以上やっている施設であれば、非常に手術に慣れている先生がおられることと思います。

過去の皮膚・皮下腫瘍に関連する記事のリンクを貼っておきますので、ご興味ある方は御覧ください。

Photo by Anna Shvets from Pexels

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