足底腱膜炎はどうやったら治る?

足底腱膜炎とはどういう病気?

簡単に言えば、「足底にある靭帯に炎症が生じている状態」です。足裏に負担がかかるような運動・作業を長時間行うと、足底の靭帯(足底腱膜)に炎症が生じ、踏み込む動作を行う度に「痛み」を生じます。これが足底腱膜炎です。

痛み方の特徴としては「朝起きた時、1歩目の歩き出しで足の裏に痛みが出ることが多く、しばらく我慢して歩いていると馴染んできて痛みが減っていく」と言われることが多いです。しかし患者さんによって感じ方は色々ですので、一概に朝の起きたてが痛むとは限りません。

足底腱膜は足底の縦アーチ構造をつなぐ靭帯であり、運動時の衝撃をバネのように和らげる作用があります。過剰な負荷により足底腱膜に微小な断裂や炎症を生じた状態が「足底腱膜炎」です。炎症が治るまでは時間がかかります。治療について解説します。

足底腱膜炎はどうやったら治る?

治療の原則は「原因」に対して「対処」することです。足底腱膜炎の原因は「アーチを保つための足底腱膜に過剰な負荷がかかっていること」です。

ではその原因は何なのでしょうか?

1つはアーチ構造の経年的な劣化です。縦アーチの劣化は「扁平足」です。縦アーチだけが問題ではなく、横アーチの劣化でも結果として縦アーチに負荷がかかることがあります。横アーチの劣化は「開張足(外反母趾も含める)」です。縦・横アーチ構造の破綻により、足底の靭帯に負荷が過剰にかかり、足底腱膜炎につながります。

原因に対処するためには「インソール(足底板)」の作成が推奨されます。各個人に合わせて、足型を採取しそれに石膏を流し込んで石膏足モデルを作成、それを目安に足底アーチを適度にサポートさせるようなインソールをオーダーメイドで作成します。レントゲンで縦アーチ、横アーチの乱れがあり、足底腱膜炎の症状を有する方であれば「病気」として扱われるため、保険診療でインソールの作成が可能です。1年半に1セット(左右)を作成することが可能です。

もう一つは「過度な負荷」でしょう。アーチ構造に問題がなくても、スポーツや趣味、仕事(作業)で度を超えた負荷がかかった場合には足底腱膜炎は誘発されます。これについては、運動・業務を一時休止して足底を休めるということが治療につながります。

インソール+リハビリテーションが重要

インソールは作成するだけですぐに効果がでるものではありません。若干足底アーチを押し上げるような構造になるので、慣れていないうちは長時間装用するとアーチの痛みを生じます。そもそも足底腱膜炎の症状が強い方は、まずは休息をとって炎症を引かせてからインソールを装用開始し、足底のマッサージなども織り交ぜながら、少しずつリハビリテーションをしていくことが必要になります。

以前に当院で行なっているフットケア・リハビリテーションについての記事を書いたことがあります。そちらも参考にしてください。以下にリンクを貼っておきます。

外反母趾の方も、足底の痛みを生じて来院されることがあります。外反母趾は横アーチの破綻からの開張足がベースになっていることがほとんどです。横アーチが乱れるため第3中足骨の骨頭あたりに負荷がかかり、地面との接地面に胼胝を形成するようになります。当然、縦アーチにも牽引力がかかり、足底腱膜炎を誘発することがあります。治療は同じくインソール療法ですが、純粋な足底腱膜炎と異なり、横アーチの破綻からの足囲拡張があるので、フットウェアの調整も重要になります。

外反母趾の方のインソール治療と靴の選定についても、以前記事にしていますのでご参照ください。以下にリンクを貼っておきます。