耳垂裂:ピアスで耳たぶが裂けたら治せる?

ピアスで耳たぶが裂けたら治せる?

ピアスが引っかかったりピアスの重みで孔が拡張していったり、孔が炎症を起こし、そのままピアス孔が裂けた状態になってしまうことがあります。これをピアスによる「後天性耳垂裂」といいます。生まれつき裂けている「先天性耳垂裂」もありますが、一般外来では滅多に見ません。相談に来院されるのはほとんどが「後天性」のものであり、原因のほとんどが「ピアス」によるものです。

裂けてすぐに来院される方もあまり見ません。しばらく放置しておいて傷が治ってから、裂になったところが癒合しなくなり、修正希望で来院される方がほとんどです。

耳たぶの裂傷や、そのまま安定してしまった後天性耳垂裂は手術で治療が可能です。外傷後の後遺症なので、保険治療で対応できます。局所麻酔での日帰り手術で、手術時間は約1時間くらいです。傷は小さいのですが、ごくわずかな凹凸も気にしながら修正手術を行うので、それくらいの時間になります。比較的簡単な小手術で綺麗に直すことができますので、思い当たる方は形成外科に受診しましょう。

耳垂裂の治療方法(Z形成術)

直線法やW形成法などいくつか手技はありますが、個人的にはZ形成術を行うことが最も多いです。裂になった部分の合わせ目になる部分の皮膚を切除し、その両端に切り込みを「Z」の形状になるようにデザインします。切開して三角形の皮弁を互いに入れ替え、逆「Z」のような形に縫い上げます。

こうすることで裂の合わせ目の延長効果が得られ、ジグザグな縫い目が皮膚の緊張を緩和させて、最終的に半年後くらいの傷は大変きれいに治ります。

Z形成をせずに直線に縫合すると、あわせ目に多少窪みが生じ、シルエットがきれいに仕上がりません。30分から1時間程度で終わる簡単な手術ですが、切開デザインや縫い合わせ方、皮膚辺縁の把持の仕方など、繊細な作業になります。

耳垂裂の主な原因は?

ピアスが引っ張られて物理的に引きちぎられる形に耳垂が裂けてしまうことが最もよくある原因になります。

他には、「アレルギー体質の方」はピアスの金属でピアス孔に炎症が生じやすく、裂けたり、孔が広がったりしやすい状況になっている場合があります。炎症や化膿を起こしやすい状況としてはアレルギー以外にも「長時間の装用」や「ピアスの重量」なども影響することがあります。

「おしゃれは我慢」という言葉もありますが、ピアス孔を治しながらふと「これってファッションのための代償?」と疑問を抱くことがあります。まあ、こういう業務は「仕事をいただけることへの感謝」と考えて、なるべく丁寧に対応させていただいています。

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