形成外科関連 Twitter Q&A

形成外科関連 Twitter Q&A

「或る形成外科」はブログとTwitterで運営しています。

余力があればYoutubeチャンネルも動画アップしていきたいのですが、まだそこまで出来ていません。いずれ検討したいと思います。

今回はTwitterの「質問箱」に寄せられた「形成外科に関する質問」と、回答についてブログにまとめて診たいと思います。


Twitterされている方は「或る形成外科」で検索、もしくはID「@arata0428」で検索してみてください。以下にTwitterアカウントへのリンク貼っておきます。ぜひフォローお願いします。

寄せられた質問と回答を以下に掲載します。実際のTwitterでの回答よりも、ブロブver.は少し詳しめに回答しようと思います。

Q.症例や医師の腕前にもよると思いますが、形成外科手術(保険適応)で一般的に最も時間がかかる手術って何の手術ですか?

Image by Paul Diaconu from Pixabay 

形成外科の長時間手術といえば、顕微鏡を使ったマイクロサージャリーが挙げられるでしょう。

おっしゃるとおり、医師の腕前や症例の難しさにもよりますが、皮弁挙げて、顕微鏡で血管を吻合して、閉創するのに5〜8時間程度かかります。大学病院とかはこういう長時間で規模の大きい手術が多く、他科(耳鼻科や外科、歯科など)と合同手術でのマイクロサージャリーも多いです。

市中総合病院では(これも病院によりますが)それほど件数はありません。市中病院では切断指の再接着術などで顕微鏡手術になり、長時間手術を経験することがあります。

Q.数人がかり(看護師や麻酔科医は除く)で施術するのが一般的な形成外科手術って何がありますか?

遊離皮弁の再建術などが代表的です。顔面骨骨折の手術とかも介助欲しいですね。たくさん腫瘍とる手術とかは手分けしてやったりします。

Q.形成外科でもウオノメとかニキビとか乾癬も診たりしますか?

その先生にもよると思いますが、僕個人としてはウオノメはフットケア治療で形成外科対応しています。 ニキビについても、保険治療・自費治療とも対応しています。とくにディフェリンやべピオで対応しきれないところもゼオスキンなどで改善得られる場合が多いので、形成外科の範疇だと思っています。

乾癬についてはどちらかと言うと皮膚科寄りだと思っています。うちの病院では皮膚科常勤医と連携して入院は形成外科で、細かい治療については皮膚科で(皮膚科がママさん医師なので、入院対応は形成外科で代わりに診ています)対応しています。

Q.傷跡の修正で皮ふボンドを使うのはどうですか?形成外科の先生に細かく塗ってもらう方がキレイに仕上がりますか?

皮ふボンドとはダーマボンドですね。

真皮縫合でしっかり寄せれていれば問題無いと思います。 表層のズレなく埋没真皮縫合をきちっと寄せられる技術があるからダーマボンドで表層固定で仕上げられます。 仮に細かく縫っても、真皮縫合が寄っていなくて、表層で寄せにいったような『ごまかし』縫合では、術後に瘢痕が広がってきます。 結局は傷の綺麗さは真皮縫合の上手さによるところが大きく、そこがきっちり出来ていればダーマボンドでも綺麗でしょう。

ただ個人的には表皮縫合しています。真皮縫合きっちり出来た上で、表層縫合でごく僅かな表層のズレを微修正できるので、そちらのほうが好きです。

Q.医局にいたら大学院進学を勧められる場合がほとんどですか?あと先生の周りに論文博士っていましたか?

その時々の事情によりますが、医局所属続けるなら、院行かせて大学の常勤採用枠あけて、スタッフ数少しでも増やす流れ(院生は働く学生)、指導医とらせて研修医・専攻医の枠を増やす流れには乗せられるでしょう。 場合によっては(研究を志す人とか、教授目指す人には)、その人の為にもなるかもしれませんが、あくまで医局の体制づくりの意味合いが強いと思います。

臨床でやりながら論文博士とってる人は、無理ではないですが、実際は現実味が少なく、あまり周りには居ません。大学に長く居るのに院に行かず(行く余裕もなく、仕事を与えられるような優秀な先生)激務をこなしている人とかが、論文博士とるイメージです。それも結構昔の先生に見られますが、最近はあまり聞きません。

結局、博士号を何のために取るのか、必要なのか。

ちゃんと目標があり、必要なので博士号を取得して、上を目指していく人は素晴らしいと思います。ただ( 偏った意見かもしれませんが、)自分の周りで博士号取った人の大半は『臨床少し離れてゆっくりしたい』とか、『自分の意思とかより上の指示で』院に行って、結果として博士号とれたみたいな人ばかりでした。

中には本気で研究したくて院に行く人もいるでしょうが、大抵は博士号とったらまた普通の臨床に戻って、しがなく働いていたり、すぐ開業したり、美容に転身したりするので、博士号の必要性を感じません。 それなら院に行っている数年間、ひたすら臨床経験積んだり、美容バイトで視野広げたりしていた方が有意義です。4年もあれば、相当臨床経験積めます。

(以下上記サイト目次より引用)

医学部医学科の大学院へ進学する理由やメリット  
1 研究医を目指す  
2 教授を目指す  
3 最新の医療など知見を更に深める  
4 博士号の学位取得は社会的ステータスになる  
5 医局からの指示


1.2.5は分かります。
『3 最新の医療など知見を更に深める』 →臨床しながらでも出来る。なんなら臨床の最新知見は院にいると疎くなる。


『4 博士号の学位取得は社会的ステータス』 →まったくデタラメ。博士号無くて困ったことはありません。社会的ステータスにはなりません。どちらかというと専門医のほうが、まだ必要とされる。

結論: 医局に居たら院を勧められますが、迷わず院を目指す人以外はやめといた方が無難。論文博士は滅多に見ない。

Q.皮膚腫瘍外科分野指導医、小児形成外科分野指導医、再建マイクロサージャリー分野指導医の3つの中から、なぜ皮膚腫瘍外科分野指導医を選んだのですか?

選んだというより、それしか取れないからです。 私は大学病院に1年所属していましたが、それ以外は市中総合病院勤務であり、そこで経験した症例で資格申請するしかありません。

「特定分野指導医」の3つの中で、認定申請のための10症例が市中総合病院でも取得可能なのは「皮膚腫瘍外科分野指導医」だけでした。

勤務した施設の特徴によっては、小児形成外科もマイクロも狙えるかもしれませんが、なかなか先天異常の症例や遊離皮弁の症例は市中総合病院では自分の執刀例として数多く治療を経験できません。

<余談〉 ちなみに形成外科分野指導医には以下の5つがあります。
1)日本手外科学会(手外科分野指導医)
2)日本美容外科学会(JSAPS)(美容外科分野指導医)
3)日本創傷外科学会(創傷外科分野指導医)
4)日本頭蓋顎顔面外科学会(頭蓋顎顔面外科分野指導医)
5)日本熱傷学会(熱傷分野指導医)

この中で、一般市中病院で取得しやすいのは3)創傷外科分野指導医です。 私は市中総合病院に最終的に落ち着くと以前から考えていたので、皮膚腫瘍外科分野指導医と創傷外科分野指導医の2つの分野指導医を取得することにしました。

おかげで形成外科指導医になれたわけですが、結局のところ指導医を取って喜ぶのは「大学・基幹病院」の上の方々だけです。当事者はお金と時間ばかりかかって、メリットを感じられません。集患につながるかというと、まったく恩恵はありません。一般の人にはその資格取得の大変さはわかってもらえません。専門医と指導医の違いなんて、だれも気にしていません。

医局から離れた身として、最近は専門医すら、なんの意味があるのだろうと考えることも多いです。資格をとったから言える話かもしれませんが、もっと取得者にメリットがある制度にしなければ、今後資格取得を志す人はどんどん減っていくと思います。

Photo by National Cancer Institute on Unsplash

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