外反母趾の対応と考え方

外反母趾によくある症状

若い頃にヒールの高い、先が細い靴を履く事が多かった。60代になり気がつけば外反母趾になっている。形は気にしなければいいのだが、靴と足が上手くフィットせず母趾の出っ張った部分が靴にあたって痛む。

とくに足底の前方中央に硬い胼胝が出来ており、碁石をふみつけているような痛みが辛い。長距離出歩いたときには第2〜4指のあたりに痺れのような感覚がでてきてさらに痛む。

足底の痛みだけではなく、膝下から足全体的に疲れやすくなったような気がする。大型ショッピングモールなどを歩き回った日にはたいてい夜中に足がつる

こんなエピソードに思い当たることはありませんか?

外反母趾の病態

外反母趾は足底の筋肉や靭帯・関節の歪みなど様々な要素が組み合わさり生じる病態です。足底の横アーチ・縦アーチが有名ですが、横アーチが崩壊し、平坦化していくと、足の第1〜5中足骨の隙間が扇を広げたように広がり、「開張足」となります。アーチ構造が乱れることにより足部の体重バランスが崩れて、歩行の姿勢が乱れ、とくに本来浮いているはずの前足部中央に荷重がかかりすぎるようになり、前足部の胼胝を生じます。

ひどくなると前足部の荷重により足底側の足指神経を障害し、足指のしびれ感・痛みにつながります。(モートン病とも言います)

横アーチが広がることに加え、女性用の先が細い靴を履いていると母趾が内側に圧迫されて、徐々に母趾基部がくの字型に曲がってくることになります。母趾が外反していくので「外反母趾」です。

母趾の屈曲はあくまで結果であり、根本的には横アーチの崩壊であり、そちらに対応していくことが治療に繋がります。

外反母趾の治療

何を治したいのかが大切です。

形・見た目を治したいなら「手術治療」になるでしょう。でも根本的な横アーチの乱れはそのままです。

よく「外反母趾は手術で治してもらったけど足のうらに胼胝ができて痛いので」受診される方がいます。偉い先生が手術してくれたそうで、「私の手術にはインソールなんかいらない」と言われたとのことです。コメントしづらいですが、そういう患者さんには、あまり多くは言わずにインソール治療を勧めます。そんな状況、もう何回経験したでしょうか。

その偉い先生のところでは相談できないんですよね。なので偉い先生も気が付かないのでしょうか。自分の手術の術後に患者さんが足の裏の胼胝で悩んで他院にかかっていること。

痛みを和らげたいなら「インソール治療」と「足にあった靴の選定」、それらを利用した「リハビリテーション」が大切になります。

インソールを用いて足底の乱れた荷重バランスを正しい荷重バランスに修正します。横アーチが扁平化している方は、採型した足型で石膏モデルを作り、足底を少し押し上げるようなインソールを作成し、横アーチを補正します。

インソールの作成は「義肢装具士」におまかせになりますが、医師の意見も反映させ、義肢装具士とコミュニケーションをとり、素材の選び方や矯正度合いの程度などをその患者さんにあわせていきます。

とくに年齢に応じて足底の素材選びは大切です。若い方、よく歩く方には比較的固めのインソールを、高齢者には柔らかめのインソールを推奨します。

インソールだけではなく靴も大切です。患者さんの足の縦の長さだけではなく、横幅の広さ、甲の高さ、手の不自由さ、紐を締め直すことが可能かどうかなど、様々な要素を考慮して、最適な靴を選定してあげることも治療の一環だと考えます。

インソール・靴ができたら終わりではありません。逆にここがスタートラインです。その靴とインソールを履いて、リハビリをすることが非常に重要になります。

足底の筋肉をほぐして、足底筋群、足関節周囲の筋群をしっかり鍛えるようなリハビリメニューを少なくとも1ヶ月はしっかり理学療法士と一緒にトレーニングしていきます。なれてくれば自分で出来るので1ヶ月以上は希望似合わせていけば良いと思います。

健康な足は健康な生活を保つために必須です。足似トラブルがある生活は、一気に質が下がります。いま外反母趾があるかたは10年後15年後にそれがどうなっているのかをよく考えておきましょう。家の柱の基礎がぐらついているようなものです。思い立ったが吉日ですので、気になる方はフットケアに力を入れている病院を受診しましょう。

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