爪白癬の治療は「爪を削る」のがポイント

爪白癬がなかなか治らない

足の爪がいつの頃からか分厚く濁って変形を伴うようになってきた。靴下に引っかかると痛いし、靴であたって痛む。隣の指に爪が当たるようになった。

なにより爪の濁りが気持ち悪い。ネットで調べたら、どうやら「爪水虫(爪白癬)」らしい。早速皮膚科を受診したところ、やはり当たりで外用薬を処方してもらった。

毎日毎日、爪にマニキュアを塗るように塗布するように言われた。

指示されたとおり毎日塗ってはいるが、まったく改善する気配がない。3ヶ月、半年、1年経過し、真面目に塗り続けたが、これって1年前と同じじゃない・・・?

こんなエピソード、実はよく聞きます。軽症の爪白癬であれば外用塗布だけでも改善が見込めますが、分厚くなってしまった爪白癬ではなかなか薬が深部に届かず、塗っても塗っても改善していかない場合もあります。

爪白癬の白癬菌(真菌)は爪の深部にいる

爪白癬の真菌は爪の最深部に巣をつくるように存在します。外用薬は爪に浸透していき、深部の白癬菌に効いてくれるはずなのですが、爪の分厚さは十人十色。分厚くなってしまった爪白癬には、1年塗っても2年塗っても改善しない場合もあります。

真菌の巣になった爪を削って、爪の最深部を露出させて外用を塗布しよう

対応法は「分厚くなった爪を削って、爪白癬の巣を露出させてから外用を塗布する」ことです。爪を削るドリルで、表面からじわじわと削り、爪を薄くしていきます。

厚みがなくなった爪には、外用薬も浸透しやすくなり、非常に効果がでやすくなります。フットケアで爪を削り、外用を継続して3ヶ月ほどすると一番根っこの部分(後爪郭)から爪が前に伸びてきます。新しく生えた爪が濁りが少なく平坦らな爪になっていれば、除菌成功の可能性があります。

油断せずに外用薬を塗布しながら半年ほど伸ばし、残った爪もフットケアで整えながらきれいに生え変わらせていきます。

残念ながら爪を削ってくれるフットケア治療をしっかり展開している病院・クリニックはまだまだ少数です。ネットで検索すれば、最寄りでフットケアに力をいれている医療機関は見つかるはずですので、探してみてください。

爪白癬は治療を諦めずにしっかり対応しておかないと、徐々に爪が蝕まれていき最終的には爪下の膿瘍を生じたり、骨髄炎に移行して足指切断にまで至ることもあります。そうなる前に是非治療しましょう。

Photo by Klara Kulikova on Unsplash