メイクで隠すという治療もある

レーザー治療後の「痕」や外傷・手術の治療後の「傷跡」、完全にゼロにすることは難しいです。かなり目立たなくなったとしても、それが患者さんの理想通りになっていないこともよくあります。それらの「痕」をメイクでカバーするという方法をご紹介します。

メディカルメイクという治療

市販のファンデーションよりもカバー力の強い、医療用のメイクというものがあります。メディカルメイクと呼ばれ、うまく使うと、傷跡やあざはほとんどわからないくらいにカバーすることができます。実際のメイクには「色の選定」と、「色の重ね方」にコツがいりますので、専門アドバイザーによる評価・指導を受けてからでないと製品を購入できません。銀座と梅田にあるメディカルメイクアップアソシエーションのセンターで指導を受けてから購入するのが一般的です。当院(生駒市立病院)ではアドバイザー資格を持った看護師がいますので、形成外科に受診することで「あざ」「傷跡」の治療を受けながら、メディカルメイクの治療も同時に受けてもらうことができます。

グラファの製品

https://www.grafa.jp/products/medicalmakeup/

https://www.medical-makeup.net

当院で推奨しているメディカルメイク製品は「グラファ」です。18種類のカラーのファンデーションを組み合わせることで、どの様な肌の色に対しても微細な調整が可能であり、自然にカバーすることが可能です。

基本色ファンデーション2色と、調整色1色、ベースクリーム、フィニッシングパウダーなどその他必要物品を合わせて、だいたい17000円程度の費用になります。

治療の流れ

当院(生駒市立病院)での治療の流れをご紹介します。まずご相談には「形成外科」を受診していただきます。当院ではメディカルメイクだけではなく、悩みの根本である傷跡やアザやシミを薄くする治療も考慮します。保険治療で対応が可能な状態であれば先にそちらを優先して対応します。具体的にはレーザー治療であったり手術治療であったり、保険診療により可能な限り薄くしていきます。

色素沈着などが主体のお悩みの場合は、自費治療で薄くする対応も考慮します。色素沈着に対してはゼオスキンのレチノール・ハイドロキノン療法を使用することでかなり薄くしていくことが可能です。それらがある程度完了したのちに、メディカルメイクによる治療を開始します。

メディカルメイク外来では、初回はアドバイザー看護師と一緒に患部のメイクを体験していただきます。使い方の指導と実際の施術を説明してもらいながら体験します。希望の方にはその日に使用したメイク一式を販売させていただき、翌日から自宅で自分でメディカルメイクを練習してもらいます。施術前後の写真評価も行います。

約2週後くらいに再診していただきます。この時はご自身でメイクした状態で来院していただき、アドバイザー看護師に「より自然な仕上がりになるように」アドバイスや修正を受けてもらいます。この時はご自身で施術したメイクの洗顔指導から、再メイクアップ指導まで行い、写真比較を行います。

大体2−3回診察を繰り返すと、皆さん使用に慣れて、かなり自然に、短時間で仕上げることが可能になります。その後は化粧品の買い足し時に来院していただくような流れとなります。(一度購入された方はメーカーサイトのインターネット上でも購入が可能です。)