Z世代にとっての美容診療とは

Z世代にとっての美容診療とは

そもそもZ世代(Generation Z)という言葉、知っていますか?

Z世代とはアメリカ発祥の言葉で、1990年後半から2000年代に生まれた人を指す言葉です。

2021年現在の年齢にして10~21歳の世代です。

X世代とは1960年〜70年代に生まれた人たち。

Y世代とは1989~90年代に生まれた人たち(ミレニアム世代)。20代中盤から30歳前半の人が該当します。

毎回欠かさずチェックしている「オリラジ中田敦彦さんのYoutube大学」でもZ世代が取り上げられました。詳しく解説されているので、Z世代について知りたい方はまずそちらをご覧ください。

<Z世代の特徴>

・比較的ミレニアム世代もデジタルに強いが、Z世代はそれ以上
・デジタルに馴染みやすいZ世代だが警戒心も強い
・自分らしさを表現できる商品を好む
・デジタルの世界に馴染んでいるだけあり、リアルな体験への憧れが強い

これからの美容診療の発展にはZ世代に向けたマーケティングは非常に重要になります。Z世代がこれからの日本を支える世代です。Z世代に受け入れられるためには2つのポイントが大切です。

①Web、IT、DXを経由したアプローチ

Image by StartupStockPhotos from Pixabay 

Z世代はデジタルが日常です。われわれX世代からは考えられない感覚なのですが、パソコンでのネットすら古いと感じる感覚でデジタルが溶け込んでいます。たくさんのコミュニケーションや購買をスマホだけで完了させますので、スマホで出来ないことは不便であり、選ばれないということになります。

ホームページが無いなんていうのは論外です。

ホームページがスマホ対応でないのもありえません。

予約がスマホで出来ないクリニック、まず行かないでしょう。

購入が電子マネー決済でないクリニック、2回目はないでしょう。

スマホでポチすると翌日に自宅に欲しい物が届くのが「当たり前」な世代に対して、どのように美容治療を提供していくのか。しっかりZ世代を意識して組み立てないと、見向きもされなくなるでしょう。Z世代が注目している目線の先に居続けることが、今後の発展には欠かせないものになってきます。

②情報の信頼性や安全性には敏感

Z世代は情報教育をしっかり受けてきています。ネットでの情報に「誤情報」や「誇大広告」があることもしっかり理解しています。だまされないようにする目線は世代のなかでもかなり鋭敏です。

ネットを使いこなしているので、その情報源が正しいかをあらゆるツールを用いて調べ上げることができます。

見せかけだけの情報はすぐに見破られます。

今まで以上に「信頼性」と「安全性」に敏感になります。

美容診療も「さまざまな新しい治療」が生まれていますが、Z世代はしっかり見極めていることでしょう。

同じような名前の治療があって、以前のX世代・Y世代では区別できずに集客できていたような治療も、すぐにTwitterなどSNSを駆使して違いを見分け、正しい治療に集まる様になると思います。ある意味で美容治療は健全化していくでしょう。

一時的なキャンペーン割引での集客や、セット販売、回数販売などでのまとめ買い割引などの戦略も「容易に見抜かれて商品の本質を見られる」でしょう。

X世代向け、Y世代向けの美容診療はどうなるのか

Photo by Raphael Lovaski on Unsplash

おそらくZ世代が強くなるにつれて、その影響は「少し遅れて」Y世代にも波及していきます。X世代は・・・現在は集客・集患の中心的な存在ですが、いずれは減っていくでしょう。今後10年ー20年の話しになりますが、確実にZ世代の影響は美容診療に出てくるはずです。もうすでに出ている部分もあると思います。

店舗で商品を実際にみて、ネットでポチして安く購入して、電子マネーのポイントまでしっかりゲットするなど、X世代やY世代からすると非常識に思える行為は、今や「想定内」「当たり前」の行動になってきています。

批判している企業は淘汰され、Z世代の行動にいち早く柔軟に合わせていく企業は未来を掴むのでしょう。

美容診療もX世代、Y世代向けと思われる治療が多々見られます。照射型機械治療や看護師施術型治療の「先発品」と、安価につくられた「後発品」。X世代のころはネーミングを似せて、なんとなく「フォト〇〇」という同じような印象での販売が横行していました。現在もそうですかね。

Y世代向けには若干ネットでの集客力をUPさせて「オンライン診療で○○%引きの化粧品!」なんていう販売展開がなされています。実際は十分な説明や、商品販売後のfollow upが弱すぎて、Z世代には口コミですぐにバレてしまいます。Y世代は引っかかるかもしれませんが、Z世代はそのあたりも見抜くでしょう。

すなわち、X世代向け、Y世代向けの美容診療は長期的には廃れていくと予想されます。

「デジタルの世界に馴染んでいるだけあり、リアルな体験への憧れが強い」このあたりがポイントになると思います。

Z世代に受け入れられやすい形成外科医療・美容医療とは・・・

・肩書だけの医師ではなく、WEBメディアで人柄や人格、考え方をしっかりと伝えられる「顔が見える医師」が信頼される。

・値段の安い後発品が先行品とは効能が違うこともしっかり見抜かれるため、より有効性の確実な施術が生き残る。

・医療機関は口コミという大きな力により常に評価されているため、見せかけの宣伝では集客・集患できない。本当の接遇が試され、評価の高い医療機関が受け入れられていく。

Z世代はこれからを支える世代

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Z世代は新時代の考え方を持つ貴重な顧客層です。或る意味、インターネットが普及してDXが叫ばれるこの時代の「最も正しい生き方」を実践する世代だと思います。

自分はX世代なのですが、Z世代の考え方をしっかり理解して自分の仕事に反映していく必要があるとつくづく思います。

おそらく我々はすぐ迎える将来に、色んな形でZ世代にお世話になります。まだ社会の中心がX世代であるうちに、敬意を持ってZ世代を招き入れなければ、自分たちの居場所はすぐに無くなってしまうことでしょう。

Photo by Yoav Aziz on Unsplash