日帰りで治せる形成外科の疾患

日帰りで治せる形成外科の疾患

結論:日帰り治療ができる形成外科の疾患として、代表的なもの、一般的に多くみられる疾患としては以下のものが挙げられます。

皮膚のできものの治療、皮膚がん(小さなもの)、傷跡の治療、爪のトラブル(陥入爪、爪白癬)、眼瞼下垂、下肢静脈瘤、鼻骨骨折

形成外科は「外科」です。手術という特殊技術にて治療を行います。手術と聞くと一般の方は「怖い」と感じられるかもしれませんが、局所麻酔で日帰り治療で出来てしまう手術も数多くあります。上記の疾患は、基本的には日帰り治療が可能な病気です。(当然、高齢な方や入院を希望されて治療を行う方も中にはおられます。)

皮膚のできもの

Image by Anastasia Gepp from Pixabay

体表の出来物(できもの)を取りたい場合は、形成外科で相談しましょう。なんとなく皮膚の問題なので「皮膚科」に行く方も多いと思いますが、手術をされない皮膚科を受診された場合は、結局は診察の後に形成外科に紹介されるだけです。手術をされる皮膚科もありますが、一般の方にはその違いがわかりにくいと思います。形成外科は「皮膚のできものをきれいに安全に手術するプロフェッショナル」です。安心して受診していただけます。

診察料(初診料288点)+紹介状費用(B009 診療情報提供料(Ⅰ) 250点):合計538点(5380円)

 3割負担の方は1614円、2割負担の方は1076円、1割負担の方は538円の自己負担額を請求されます。

当然、紹介状をもって受診した形成外科のクリニック・病院でも診療科が異なるため初診料が発生します。

無駄な費用を請求されないためにも、形成外科という診療科の存在を知ってください。

皮膚のできものを「取りたい」「皮膚がんなのかどうか検査したい」なら、ぜひ形成外科を受診しましょう!

皮膚がん(小さなもの)

ホクロだと思って切除して、病理検査の結果「悪性腫瘍:いわゆる皮膚がん」だったということは、高齢の方であれば珍しい話しではありません。

「早めに見つかってよかった!」と思いましょう。きっちりマージン(幅)をつけて切除し、欠損を皮弁や植皮で「再建」すれば、癌は完治できて、見た目も目立たないように収まります。

皮膚がんを調べたいなら、2度手間にならないためにも皮膚科よりも形成外科に行くことをおすすめします。

傷跡の治療

Photo by Shane on Unsplash

怪我・傷というのは救急診療で見られる事が多く、「救急、救命的な観点」からすれば、命に影響がなく、傷としては癒合治癒したら「治った」状態であり、そこまでで終わりです。癒合することが目的なので、「きれいに治す」ことを目的とする形成外科の観点とは根本的に「傷」に対する姿勢が違います。

傷跡は「受傷の程度・状態」と「最初の初療と後療法」「本人の年齢や肌の状態、創傷治癒に影響する体質」などから、きれいになるか、ミミズ腫れのように膨らむか、結果が変わってきます。形成外科はそれらすべてを理解して、管理する診療科です。

受傷早期であっても、治った跡の傷跡であっても、形成外科に受診することはおすすめです。

熟練の先生であれば、どのフェーズの傷に対してもプロフェッショナルな目線で、「なるべくきれいになるような提案」が出来ると思います。

爪の治療

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爪の診療は一般的には皮膚科の先生のほうが主流なのかもしれませんが、形成外科のほうが良い場合があります。それは「外科治療が有利な場合」です。

巻爪・陥入爪は爪の刺激を残しながら刺さった部位の肉芽を退縮させるのは困難です。手術をしない方法では「ワイヤー」や「ガター法」など爪を曲げたり、保護したりして傷と爪を引き離します。でもそれには限界があります。

手術で爪の生え方を少しだけ短くする方法で刺さりこみをなくすと、翌日から痛みはなくなります。2−3週で爪の処理した部分も完治します。半年〜1年も皮膚科に通院して治っていないようなまき爪の症例もよく見ます。1−2週で確実に治せる手段は、やはり外科的治療です。

爪白癬(みずむし)で分厚くなった爪に対して、皮膚科でもらった外用薬をつけ続けている患者さんもよく見ます。爪を削って薄くしたらもっと効くし、見た目もきれいになるのに・・・一般の方でもそう思いませんか?形成外科では外科手技に慣れておりフットケアも攻めた治療が可能です。長年の爪の悩みを解決したい方は是非、フットケアを扱っている形成外科を受診してください。

眼瞼下垂

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眼瞼下垂に悩んでいる方の非常に多くが「眼科」で相談されています。そして「手術適応ではない」「もう少し置いといて良いんじゃない?」などと対応され、途方にくれているというお話をよく聞きます。

目の相談なので「眼科」だと思う、当たり前ですよね。これは形成外科が眼瞼下垂の治療を積極的に行っているという認知がされていないことが問題です。一般の高齢者の方々は悪くありません。

眼瞼下垂についても、先に書いた「手術しない皮膚科」がいるのと同じです。「眼瞼下垂を手術しない眼科」が、クリニックレベルでは結構たくさんいます。でも一般の方は知りませんので、そこで質問されて、適応がないとおもってしまいます。

まぶたの垂れ下がり、開けにくさについてはほとんどの形成外科で対応ができるはずです。皮膚や繊細な筋肉の取り扱いになるので、普段体表の繊細な手術を主に行っている形成外科にとっては「得意」とする分野です。

日帰りでも十分対応が可能です。心配なら入院できる施設の形成外科も考えればいいと思います。

下肢静脈瘤

静脈瘤は日帰りで治療が可能です。麻酔の方法によっては1泊2日になることもあります。最近は血管内焼灼術が主流になっています。グルー治療という新しい「接着剤による血管の癒着」を行う治療も増えてきました。

網目、蜘蛛の巣のような見た目の血管をきれいにしたいときには硬化療法を行いますが、これも日帰りです。

立ち仕事が長い方に生じやすい下肢静脈瘤、仕事が忙しい年代に足のトラブルとして発生します。日帰りで治療できますので、思い切って下肢静脈瘤の治療を行っている形成外科を検索して受診しましょう。

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