インソールの採型点数が大きく減算されました。
2020年4月の改定は、形成外科・フットケア領域にとって大きな減点が2つありました。一つは下肢静脈瘤:血管内焼灼術です。下肢静脈瘤血管内焼灼術、伏在静脈抜去切除術保険点数は2020年改定にて10,200点に減点されました。もともとそれまでは14,360点だったので、4160点も減点されたことになります。
下肢静脈瘤を形成外科の守備範囲に組み込んでいた当院としては、非常に痛手です。決まったことには従うしかないのが現状ですが、ちょっと大幅な減点すぎて唖然としました。
もう一つ地味に痛手なのが、インソールの採型料です。もともと1肢700点、両足で1400点だったのが、今回の改定は以下の通り
【J129-4 治療用装具採型法】
1 体幹装具 700点
2 四肢装具(1肢につき) 700点
3 その他(1肢につき) 200点
フットインプレッションフォームを使用して装具の採型を行った場合は、 本区分の「3」その他の場合を算定する。
ご丁寧に「フットインプレッションフォーム」の使用の場合200点と明記されてしまいました。両足で400点です。一人につき1000点減点となります。
この2項目の減点により、非常に大きな影響を受けてしまいます。
装具屋さんによると石膏型での採型「四肢装具採型」は700点のままであるとのことだったので、一度体験させていもらいました。
石膏型による採型を体験
まずは足にラップを巻き、紐を足首やや上にくくりつけます。この紐はあとで石膏型を切っていくためのものです。
ラップと紐の上から石膏ギプスを巻いていきます。
指先もシワにならないように綺麗に巻いていきます。
全体に播き終えたら足の凹凸にフィットさせるように圧迫します。少し固まり始めたら足を床につけて、体重をかけます(立位)。足底の荷重時の立体採型です。
先に巻き込んでいた紐に沿ってカッターで石膏を切り裂いていき、足をぬきます。型がくずれないように慎重に取り出します。
出来上がった石膏型です。
左右とも石膏型で採型してもらいました。この型を使って患者さんの足と同じ立体模型(モデル)を作成し、それを利用して、足底アーチ(縦アーチ・横アーチ)を適度に「盛った」インソールを作成します。
ちなみに以前の記事で書いたインソールの採型は「フットインプレッションフォーム:別名トリッシャム」と呼ばれるもので行なっています。
トリッシャムのほうが迅速に対応でき、インソールの採型には向いているとのことでした。逆に石膏型での採型は足趾のclaw toeや高度外反母趾による指の乗り上げなどがある場合に必要です。靴型装具を作るとなれば足全体・足趾の立体形状の形態を型取りする必要がでてくるため、石膏型でないと対応できません。
当院ではインソール作成には従来通りトリッシャムを使用して採型してもらうことにしました。1件1000点の減算は痛いですが、止むを得ないです。