エンビロンからゼオスキンへの乗り換え

エンビロンからゼオスキンへの乗り換え

エンビロンからゼオスキンへの乗り換えを勧めているわけではありません。ただ、最近コロナ禍でマスクで隠すことができるため、反応期のダウンタイムを許容できるようになり、ゼオスキンのセラピューティックを始める人が増えています。よく聞かれるんです。

「エンビロンを使ってるんですけど、ゼオスキンに乗り換えたいんです。どうやって乗り換えたらよいですか?」

エンビロンにはゼオスキンと違うエンビロンの良さがあり、そちらを気に入っている方はそのまま継続で良いと思います。エンビロンは「ダウンタイムが極めて少ない」という良さがあり、それでいてビタミンA(レチノール)が段階的(ステップアップ式)に高濃度に移行していくので、継続して使用していると徐々に肌質が良くなってきます。

「ゼオスキン =皮がめくれる・赤くなる・ヒリヒリする」というイメージが定着してしまっていますが、ブログでも何度か説明している通り、決して強烈なA反応は「良い反応」ではなく、高度な色素沈着と表裏一体です。なので、当院ではセラピューティックの使用については、かなり慎重にトレチノインの反応を観察していただき、反応が出たら休トレチノインを勧めています。合併症になるまえに引かせる、A反応をコントロールできるように指導しています。当院での使用法をしっかり守って、理解して使用していただけば、「ゼオスキン =ダウンタイムはコントロール可能、改善力がハンパない。」に認識が変わっていくでしょう。

ゼオスキンの反応性の強さや効能への反響は、美容知識が豊富なエンビロンユーザーの耳にも当然入っていきます。エンビロンの「優しいビタミンA」は、非常に安全で、効果もしっかり出るし、大変良い製品です。しかし、人間誰しも、いままで体験したことがないものへの「興味」が尽きることはありません。

エンビロンを使っている方がゼオスキンに乗り換える時は、メーカー間の移動になるため特に決まりごとはありません。当院でエンビロンからゼオスキンに乗り換え時におすすめしている「乗り換え法」をご紹介します。

モイスチャーシリーズ、Cクエンスシリーズ(1・2)からの乗り換えはメンテナンス・プログラム+スキンブライセラム0.25

オレンジのモイスチャーシリーズを使っているエンビロンユーザーの方はレチノールのナンバーがどのステップであれ、スムーズな乗り換えには「メンテナンス・プログラム」をお勧めしています。より改善力が欲しい方にはスキンブライセラム0.25を追加でおすすめします。

使用方法はゼオスキン のマニュアル通り、スキンブライセラム0.25は週1〜2回夜だけ使用という方法で開始、2−3週ほどして反応がもっと欲しければ、週3、4と徐々に頻度を上げていくことをおすすめしています。2−3ヶ月かけて徐々に上げていくと、1週間連続で使っても大丈夫なくらいになってきます。

エンビロン モイスチャーシリーズの1、2にはパルミチン酸レチノールが配合されており、クリーム1にはパルミチン酸レチノール、クリーム2.3.4にはパルミチン酸レチノールとプロピオン酸レチノールが配合されています。エンビロンの良さは、先にも書いたとおり「A反応が目立たず、優しくゆっくり改善していく」ところなので、ゼオスキン の製品に乗り換える場合は、デイリーPDにパルミチン酸レチノールが配合されており、同様の「優しくゆっくり長期的な改善」はそちらで対応できます。美白については、ミラミンを使えばハイドロキノン4%の強力な美白作用が得られます。これはエンビロンのビタミンC主体の美白作用よりも強く、効能としてしっかりと感じてもらえると思います。ハイドロキノンに肌荒れが出やすい方はブライタライブ からスタートしても有効です。

エンビロンのようなビタミンC・E主体の美白を望むのであれば、シーセラムを選択してもらえば良いと思います。でもせっかく乗り換えるので、ここはぜひミラミンからスタートをおすすめしたいところです。

C-クエンスシリーズ(3,4,4+)からの乗り換えはメンテナンス・プログラム(スキンブライセラム0.5)

エンビロン シークエンスシリーズのセラム1.2にはプロピオン酸レチノール、セラム3.4.4+にはプロピオン酸レチノール、パルミチン酸レチノール、クリーム+にはパルミチン酸レチノールが配合されています。Cクエンスの4+とクリーム+までステップアップしている方は、それ以上はAブーストなど足していくことになります。

それらのレベルの方をゼオスキンへ移行する場合は、メンテナンス・プログラム+スキンブライセラム0.5から開始します。やはりスキンブライセラム0.25(レチノール濃度0.25%)では物足りなく感じる方もおられますので、最初から0.5%レチノールを使用してもらうと丁度いい感じになります。もっと効果を出したい方は、メンテナンス・プログラム+Wテクスチャーリペアでもいいでしょう。こちらもレチノール濃度は0.5%ですが、テクスチャー改善効果が非常に強力で、浸透性もマイクロエマルジョン化されたレチノールにより抜群です。

個人的な経験ですが、以前自分の顔で実験してみたことがあります。左半分にシークエンス4+とクリーム+を全体的に塗布、右半分にスキンブライセラム0.25を全体的に塗布して、どちらが反応性が強くでるのか試してみました。A反応として自覚するくらいの反応がでたのは3日目すぎたくらいからで、スキンブライセラム0.25の方でした。やはりレチノールの方が浸透性が高く、反応性も強いので、治療の実感を感じやすいのだと思います。ただし、それがイコール効果とは限りません。A反応が出ずに肌質改善が得られればその方がよいですが、乗り換え時にゼオスキン の方が反応がでやすいため、一般の方からすれば「ゼオスキン って強力!よく効いている!」という印象になるかと思います。

コストパフォーマンスも、フルセットの総額からするとゼオスキン のほうが高価になりますが、1セット容量の使用期間が1ヶ月ほど長いこと(エンビロンは2ヶ月未満、ゼオスキン は3ヶ月ほど)を考慮すると、若干ゼオスキン のほうがコストパフォーマンスが良いことになります。これは個人の使用量にもよりますが、推奨される使用法に準じて使用した場合にはゼオの方が月あたりの価格は安いといえるでしょう。

色々と書きましたが、あくまで「乗り換えたい方」へのアドバイスです。エンビロンも素晴らしいホームケア製品なので、満足されている方はそのままでいいでしょう。

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