結局「しみ」を「消す」にどうしたら良いか
シミの治療はダイエットと一緒で、ネットで検索すると色んな方法が紹介されます。どれも「良さそう」なものばかり、目移りしてしまい、ついつい費用をたくさんかけてしまいます。
奈良県の生駒市立病院では2017年より美容自費診療を行なっています。開設よりQスイッチルビーレーザー(エムエムアンドニーク社)、フォトフェイシャル(M22:日本ルミナス)と超音波イオン導入(エンビロン)、ゼオスキンヘルス(キュテラ)の4種の「しみ改善効果」のある美容治療をうまく組み合わせた治療を展開しています。形成外科専門医である自分がこの3年半に渡る当院での美容診療を再度振り返り、
結局「しみ」を「消す」にはどうしたらよいの?
という究極の質問に対してストレートに回答を作りたいと思います。
「しみ」の治療の選択肢
当院ではシミの治療の選択肢は以下の5種類だけを取り扱っています。これらの組み合わせでほとんどのシミのお悩みは解消できます。当院での費用についても記載しておきます。
- フォトフェイシャルM22(日本ルミナス)
【1回15000円 全顔照射】 - Qスイッチ付きルビーレーザー(MODEL IB101 エムエムアンドニーク社)
【大きさ別 3000-20000円】
【フォトフェイシャルと一緒に受ければ大きさにかかわらず3000円】 - 超音波イオン導入(エンビロン)
【全顔 1時間10000円】 - ゼオスキンヘルスのセラピューティック・プログラム(キュテラ)
【フルセット 65000円程度】 - 内服療法(ビタミンC、トラネキサム酸、ビタミンE)
【1ヶ月分5000円程度】
費用が少なく済む「しみ治療」の選択順序
①まず何より最優先におすすめするのは「ホームケア製品の改善」です。
患者さんは「シミが出来て濃くなってきた」ことにお悩みです。今のケアでシミが薄くならないどころか、徐々に濃くなり増えてきていて不満足だから、改善を求めてやってきます。たとえばレーザーやフォトフェイシャルは、表面の目立つシミは光線の力により浮き上がり、かさぶたになって消えるかもしれません。しかし、元の原因となる「肌代謝」が改善していなければ、またすぐにシミが再燃してしまいます。現在使っている化粧品を効果が強い医療専売品に変更することは、シミ改善やその後の再発予防という意味でも最も効果的です。
即時的な反応はレーザー・フォトフェイシャルでは簡単に得られるので、ついついそちらに興味がいってしまいがちですが、ホームケア製品(ゼオスキンヘルスのセラピューティック・プログラム)では根本的に「肌細胞の入れ替わり」にアプローチし、「メラニン色素の産生」を抑え込むことで、3−4ヶ月ほどするとお顔全体に変化が現れます。こうやって肌の代謝の根本から改善した状態は、ちょっとやそっとでは揺るぎません。継続させることも容易であり、結局レーザー・フォトフェイシャルが要らなかったというくらい「ホームケア」の力だけで改善が得られることもあります。
なので第一に選択するのは「ゼオスキン ヘルス:セラピューティック・プログラム」がオススメです。3ヶ月分65000円程度のコストがかかりますが、今までも毎月基礎化粧品にいくらかの投資はしていたと思います。そこからの乗り換えになるので、現状+いくらになるかで考えれば、それほど高額ではない方も多いのではないでしょうか。毎月1回フォトフェイシャルを受けるよりも得られることは多いはず。セラピューティックについての記事を以下にリンクしておきますので、ご興味あるかたはご覧下さい。
②2番目はゼオスキン セラピューティックのA反応を抑えて、和らげてくれる効果がある「超音波イオン導入」です。
当院ではセラピューティックの開始から2週目、1ヶ月目、2ヶ月目の3回ほど超音波イオン導入に来院していただき、トレチノインで入れ替わりつつある不安定なお肌の反応を抑え、中和しています。当院ではセラピューティックの使用方法はメーカー推奨よりも優しめに設定していますが、それでも2週目くらいにかなり赤み・皮剥けが出る方がいます。超音波イオン導入で反応がキツく出た部分にも深部までしっかりビタミンが行き届き、施術直後から赤み・皮剥けが抑えられます。同時にセラピューティックの途中経過チェックにもなるため、2週目の受診はなるべく推奨しています。イオン導入についての記事にリンクしておきます。ご興味ある方はご覧ください。
③3番目にオススメなのが、フォトフェイシャル+Qスイッチルビーレーザーの合わせ技です。ゼオスキン セラピューティックの治療が落ち着いてきた3ヶ月目くらいに1回目の照射を行うのがオススメです。セラピューティックでほとんどの細かいシミは無くなっているはずです。肌質も赤ちゃん肌のようにプリプリに改善していることでしょう。しかし、セラピューティックも万能ではなく、スポット型の濃いシミは残ってしまいます。お顔の産毛などは化粧品では改善しません。小じわや毛穴の広がりなどもある程度は改善していますが、より上を目指していくのであれば、フォトフェイシャルがおすすめです。
当院の照射方法では、顔全体のタイトニング照射を行い、産毛の脱毛照射、全顔しみ照射のトリプル照射を行います。セラピューティックで抑えきれない部分の改善が期待できます。Qルビーを特にスポットシミの濃いところに追加で照射すると「ダウンタイム」はありますが、スポットシミの改善が得られます。
当院のフォトフェイシャルの照射方法について書いた記事がありますので、リンクしておきます。
④最後は内服療法です。維持療法として併用するのが効果的です。一度消したシミも「ノーケア」が続けば必ず再燃します。再発予防のためにはゼオスキン メンテナンス・プログラムに移行してケアを続けること、なかでもゼオスキンの日焼け止めをしっかり継続すること、基本はそれだけでも十分です。3ヶ月ごとの定期的に化粧品がなくなるタイミングに合わせて超音波イオン導入を予約して、来院のきっかけを作っておき、ビタミン剤(ビタミンC・トラネキサム酸・ビタミンE)の内服で体の中からシミを抑えていくことで、フォトフェイシャルやレーザーなどは不要になります。
「しみ」の再発を抑えるためにやっておいた方が良いこと
しみを一旦綺麗に消したあとは再発を抑えましょう。しみの原因は主に「光」です。これは日光に含まれる紫外線もありますが、パソコンなどから出ているブルーライトなどもシワの原因になりますので、老化が目立つ要素といえます。最近では近赤外線も肌のたるみの原因として考えられています。
夏でも冬でも、室内でもそれらをブロックできる「サンスクリーンプラスプライマー(ゼオスキンヘルス)」を使用しておくことが再発の原因対策の一つです。
洗顔でのこすり洗いによる慢性刺激なども肝斑の原因になりますので、日々の洗顔にも気をつけましょう。
再発をおさえるためにはフォトフェイシャルやレーザーは意味がありません。しっかりと維持のホームケア製品を継続すること、時々来院した際にはきっちりスタッフに評価してもらい、超音波イオン導入を受けてコンディションをつねに整えていくことが大切です。
全体を通して言えることですが、ストレスやバランスの悪い食生活は肌荒れの原因になります。一概に「ストレスを無くす」というと、なかなか難しいですが、適度な運動や睡眠を心がけるだけでも体調は良くなり、肌質も改善します。あまり疲れが抜けないような場合はサプリメントで補充することも一つの方法といえるでしょう。
ゼオスキンの治療は生駒市立病院オンライン診療でも対応できます。
生駒市立病院では毎週木曜・金曜の午後からの専門外来の枠で自費治療(ゼオスキン)オンライン診療も受け付けています。化粧品の費用に加え、初診料 2,750円、再診料 750円、送料全国一律1000円が必要になります。お近くでゼオスキン を取り扱うクリニックがない、コロナが怖いので自宅からオンラインで診療を受けたいなど、ご希望がございましたら以下の病院ホームページよりご予約いただければ、ZOOMを利用した診療にて対応させていただきます。